北九州空港を拠点とし国内線を中心に運航する黒い飛行機スターフライヤー。機体の色から機内の設備、公式ホームページに至るまで徹底して黒が用いられています。また座席の間隔が全日本空輸(ANA)、日本航空(JAL)より12センチも広かったり、国内線では珍しい深夜便を運航したりと他社とは一線を画すエアラインでもあります。そのサービスが評価されたのか、国内線航空会社の顧客満足度1位を9年連続で獲得しています。
そんなスターフライヤーには満12歳以上26歳未満のみが利用できる「スターユース」という割引運賃があります。若者の味方ですねそこで今回は充実したサービスにもかかわらず、安く移動のできる「スターユース」を他社の運賃と比較しながら徹底検証していきます。
1 「スターユース」とは?
スターフライヤーが満12歳以上26歳未満の乗客向けに販売する割引運賃です。元々学割運賃が販売されており、その後にこの運賃が登場しました。2016年10月29日までは満24歳未満まででしたが満26歳未満に引き上げられました。学生や若い社会人には非常にありがたいですね。座席数に指定があります。
この「スターユース」を活用してお得に旅すべく詳細を見ていきましょう。
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1-1 「スターユース」の運賃
「スターユース」利用時の路線別片道運賃は以下の通りです。東京/羽田〜大阪/関西線の通常運賃は23,650円なので「スターユース」を利用すれば13,950円もお得な計算になります。
路線 | 運賃 |
東京/羽田〜福岡・北九州線 | 15,900円(通常期)から |
東京/羽田〜大阪/関西線 | 9,700円(通常期)から |
東京/羽田〜山口宇部線 | 13,750円(通常期)から |
名古屋/中部〜福岡線 | 11,800円(通常期)から |
北九州〜那覇線※1 | 10,200円(通常期)から |
運賃のほか、羽田空港、中部国際空港、北九州空港発着便を利用する場合、記載されている運賃に旅客施設使用料が加算されます。通常期のほか、繁忙期にはピーク期運賃が設定されています。
航空券購入および搭乗手続き時に生年月日や年齢を証明できる公的書類(健康保険証、運転免許証、住民票(6か月以内に発行されたもの)、パスポートなど)、学生証(生年月日や年齢を証明できないものは不可)の提示が必要です。
LCCの激安運賃に見慣れている方は若干高く感じるかもしれません。しかしこれだけ機内サービスの充実した広い座席でこの値段は非常に魅力的です。また、東京/羽田〜大阪/関西線はセール運賃「そら旅」より安い場合もあります。詳しい運賃比較は後記します。
ちなみにJR東海道新幹線の「のぞみ」で東京駅から新大阪駅まで乗車すると13,870円となるので、関西空港から中心部への移動費を1,000円を引いても、「スターユース」利用時の東京/羽田〜大阪/関西線は約3,000円ほど安くなります。
1-2 購入期間
この運賃の最も優れている点は、搭乗日2ヶ月前の午前9時30分から当日まで購入できる点です。そして常に販売しているので空席があればいつでも購入できます。
つまり学校の友人と「明日大阪に突発食倒れに行こう」となった時、空席さえあれば東京/羽田〜大阪/関西線を9,700円(通常期)+旅客施設使用料で移動できてしまいます。こうした突発弾丸旅行には特に便利ですね。
航空券の購入期限は予約日を含めて4日以内に購入する必要がありますが、3日前以降当日までの予約の場合は、出発時刻の20分前までに購入できれば大丈夫です。
1-3 購入方法
購入は
スターフライヤー公式WEBサイト、国内線予約センター、空港カウンター
決済はクレジットカードはもちろん、コンビニ支払いや空港カウンターでの現金支払いも可能です。
1-4 予約変更
ここにも「スターユース」の優れている点があります。
なんと、当日空港で空席があれば、搭乗便より前便への変更が可能なのです。
1-5 払い戻し
払い戻しは可能ですが、払戻手数料と取消手数料(440円/1区間)がかかります。
路線別の払戻手数料は以下の通りです。
路線 | 航空券購入後から便出発前まで | 便出発以降 |
東京/羽田〜福岡・北九州・山口宇部線 | 3,000円 | 6,000円 |
東京/羽田〜大阪/関西線・北九州〜那覇線 | 2,000円 | 4,000円 |
名古屋/中部〜福岡線 | 2,000円 | 4,000円 |
なお、病気などで旅行不可能な場合はどちらの手数料もなしで変更・払戻しが可能です。適用には医師の診断書の提出が必要です。
1-6 マイル
スターフライヤーのマイル「STAR LINK」に50%のマイルが積算できます。
全日本空輸(ANA)とのコードシェア(共同運航)を行っていますが、ANAマイルはANA便名で購入しなければ積算されませんのでご注意ください。この「スターユース」はスターフライヤーでのみ購入可能です。
2 どのくらい安い? 運賃比較(スターフライヤー)編
「スターユース」が一体どの程度安いのか、同じスターフライヤーの割引運賃「そら旅」と比較していきます。
以下は、この記事を執筆したちょうど1ヶ月後の2018年1月23日の東京/羽田〜大阪/関西線の片道運賃表です。
「スターユース」が9,790円、セール運賃の「そら旅28」が10,990円と1,200円の差で最安運賃がスターユースになっています。「スターユース」に該当する場合、セール運賃よりも安く行けてしまうのです。搭乗日が近づくと価格が高騰しがちな航空券ですが、「スターユース」は空席さえあればいつ購入しても同じ価格なので非常にお得ですね。
3 どのくらい安い?運賃比較(他社編)
今度は「スターユース」の価格を他社の航空券で比較してみましょう。
3-1 スターフライヤーvsレガシーキャリア(ANA・JAL)
「スターユース」のお得さをANAとJALの同一日時の2018年1月23日の東京/羽田〜大阪/関西線片道運賃表で比較してみましょう。
3-1-1 vs ANA
以下がANAの片道の運賃表です。
ご覧のように上で掲載した「スターユース」以下の価格の運賃は見つかりません。「スターユース」とANAの「旅割」で約2,000円以上の差があります。この2,000円で大阪食い倒れをさらに満喫できます。
ちなみにこのSFJ運航と書いてある便はスターフライヤーとのコードシェア便で、スターフライヤーの飛行機で運航しています。ANAマイルを貯めつつスターフライヤーを利用したい場合はこのANA公式WEBサイトから予約しましょう。
3-1-2 vs JAL
以下がJALの片道の運賃表です。
こちらも「スターユース」が最安になる。JALの「おともdeマイル割引」より約1,000円ほど安いですね。
このように日本の大手航空会社であるANA、JALよりも安い運賃で、広い座席に座り、心地よいサービスを提供するスターフライヤー。侮れませんね。
特に搭乗日時が近ければ近いほど、この「スターユース」は力を発揮します。思い立って九州や大阪に行きたくなったら是非探してみましょう。
※運賃は日付により変動します。必ずしも「スターユース」が最安とは限りません。またこのページでは東京/羽田〜大阪/関西線を例示していますが、路線により価格は異なります。
3-2 スターフライヤー vs LCC
続いて東京/成田〜大阪/関西線のLCCと比較してみましょう。
こちらも上の「スターユース」の運賃と同一日時の2018年1月23日のLCC東京/成田〜大阪/関西線片道運賃との比較です。今回はスカイスキャナーの最安運賃検索を用いました。以下が検索結果です。
ご覧のように
バニラエア 4,060円から
ピーチ 4,240円から
ここには載っていませんが、ジェットスター 4,552円から
とどのLCCも9,790円の「スターユース」の半額以下と安定的な格安運賃を提供してくれています。運賃の安さを第一に考えるならファーストチョイスはもちろんこのバニラエアやピーチとなるでしょう。
しかし、5つの要素を考慮するとその差は少しずつ縮まります。
1. 都内(東京駅)から成田空港まで公共交通機関を利用すると最低でも往復2,000円かかる
2. 都内から1時間〜2時間かかる立地(羽田空港は都内から約30分ほど)
3. 予約の変更・キャンセルのリスクや受託手荷物がある際は手荷物料金が必要
4. 座席の広さはLCC各社が74センチなのに対し、スターフライヤーは91センチもある
5. 機内サービス(ドリンク、エンターテイメントなど)の有無
です。
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このように空港までの所要時間が増したり、LCCならではの制約があったりします。安さを取るか、時間を取るかで選択は変わってきますね。自分の好みやスタイルに合わせて選ぶと良いと思います。
4 さいごに
スターフライヤーのお得な運賃「スターユース」についてまとめると、
- 満12歳以上26歳未満が利用出来るお得な運賃である
- その日の最安運賃の場合がある
- 空席があれば搭乗便より出発時刻の早い便に変更可能
- 空席があれば突発旅行ほど役立つ
- 当日航空券を購入できる
となる。これで「スターユース」を使いこなせますね
他社に比べて充実した機内サービスと運賃の安さを両立するスターフライヤーで、快適な空の旅を送るために、ぜひこのページを活用してください。TRAICYではスターフライヤーに関する最新情報からコラムや過去のセール情報まで網羅しているので、ご旅行の際には参考にしてみてください。
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