国産LCCとして有名なバニラエア。成田空港から10都市へ就航し、不定期でお得な運賃「わくわくバニラ」を販売していますね。そんなバニラエアでせっかく格安で航空券を手に入れたのなら、手荷物で高くついてしまうことは避けたいです。そこでお得な旅のために、バニラエアの手荷物料金を大解剖していきます。
1 バニラエアの運賃タイプ
バニラエアには3つの運賃タイプがあります。
(1)「コミコミバニラ」はカウンターでの手荷物預け入れができる「受託手荷物」が運賃に含まれているのが最も大きな特徴です。3つの中で1番高い運賃タイプになります。
(2)「シンプルバニラ」は常時販売している格安運賃です。
(3)「わくわくバニラ」は不定期のセールで販売する最安運賃です。
(2)と(3)は「受託手荷物」がある場合、追加料金を支払う必要があります。予約画面では以下のように表示されます。(東京/成田→大阪/関西の場合)
2 バニラエアの手荷物
どこの航空会社でも同じですが、手荷物には大きく分けて2つの種類があります。機内に持ち込むことのできる「機内持ち込み手荷物」と搭乗日に空港のチェックインカウンターで預ける「受託手荷物」です。それぞれの細かいルールを確認していきましょう。
3 機内持ち込み手荷物
2-1 料金
規定の重量・サイズを満たせば、機内持ち込み手荷物は「無料」です。つまり短期の旅行ならば、機内持ち込み手荷物のみにすれば出費を抑えられます。実際筆者も1泊2日の旅行の際はリュックやトートバッグ1つにまとめています。
2−2 サイズ
機内持ち込み手荷物は、キャリーケースのような明確なサイズ規定のある手荷物と、サイズ規定が明文化されていない「身の回り品」の2種類があります。
機内に持ち込めるキャリーケースのサイズは以下のようになっています。これにはハンドル・車輪・鍵などの付属品も含まれています。2017年10月29日から規定が以下のサイズに変更になったのでご注意ください。
(バニラエア公式サイトから引用、実際の規格内のキャリーの画像あるとなお良い)
各辺が55cm、40センチ、25センチ以内かつ、三辺の合計が115センチ以内のサイズの手荷物までとなっています。同じLCCであるジェットスターと各辺の長さに若干の違いがあるのでキャリーケースのサイズがギリギリの方は注意が必要です。
身の回り品の例としては、以下のものが挙げられます。サイズの目安としては、座席の下に入る大きさのものが身の回り品として持ち込めるようです。一般に学生が通学に使うようなリュックならば身の回り品として見なされます。筆者の荷物でパンパンに膨れ上がったトートバッグも身の回り品として認められました。
- ハンドバッグ
- 文庫本
- 財布
- ノート型パソコン
- コート
- 傘
- 規定の条件を満たした液体類
- 免税品
※バニラエアではこれらの身の回り品を含む全ての機内持ち込み手荷物に、サイズと重量の確認済みタグを添付する必要があります。このタグがなければ機内に持ち込めませんので、チェックインカウンターで忘れずにタグを添付してもらいましょう。
それではその重量を確認していきましょう。
2−3 重量と個数
バニラエアの機内持ち込み手荷物は、運賃タイプに関係なく上記の身の回り品1個を含む手荷物2個で合計7キロまでとなっています。超過の場合、所定の料金と手数料を払わなければならなくなりますので注意しましょう。
2−4 サイズ、重量オーバーは追加料金
当日チェックインカウンターで、機内持ち込み手荷物のサイズや重量がオーバーしていることが判明した場合、路線によって2000〜6000円の受託手荷物料金(以下表参照)と手数料2000円を請求されます。かなり割高ですのでサイズと重量には十分気をつけましょう。対策として当日空港のカウンターで重量をチェックする方法があります。
エリア1(東京/成田〜札幌、奄美大島、沖縄、函館、大阪/関西、大阪/関西=函館、奄美大島) | 2000円/1個 |
エリア2(東京/成田〜台北/桃園、高雄、セブ、大阪/関西=台北/桃園、台北/桃園=ホーチミン) | 3000円/1個 |
エリア3(東京/成田〜香港) | 4000円/1個 |
エリア4(沖縄〜台北/桃園) | 2000円/1個 |
4 受託手荷物
受託手荷物は搭乗者1人ごと、フライト1便ごとに設定できます。複数人で旅行する場合は荷物をまとめて誰か1人だけ受託手荷物を追加したり、お土産の増える復路のみ追加したりすることが可能です。
4-1 サイズ
バニラエアでは三辺の和が203センチ以内、かつ一辺の長さが120センチ以内に収まらない受託手荷物は「定形外サイズ」となり、重量に加え、個数分の料金がかかります。これにはサーフボードや楽器などが該当することがあります。キャリーケースならよほどの大きさのものでなければ大丈夫でしょう。「定形外サイズ」の追加料金は路線により以下のように異なります。ただし車椅子やその他の移動補助具、医療機器、ベビーカーなどはサイズが大きい場合でも、通常の受託手荷物とは別に無料で預けることができます。
エリア1(東京/成田〜札幌、奄美大島・沖縄・函館・大阪/関西、大阪/関西=函館・奄美大島) | 2000円/1個 |
エリア2(東京/成田〜台北/桃園・高雄・セブ、大阪/関西=台北/桃園) | 3000円/1個 |
エリア3(東京/成田〜香港) | 4000円/1個 |
エリア4(沖縄〜台北/桃園) | 2000円/1個 |
4−2 重量と個数
個数の制限はありません。最初に説明した運賃タイプ「コミコミバニラ」で購入した場合は20キロまで無料で預けることができます。「シンプルバニラ」と「わくわくバニラ」は別途料金が必要です。詳細は次の項目を参照してください。また1個当たりの最大重量は32キロなので、32キロを超える場合は手荷物を分けなければなりません。1人あたり合計100キロまで手荷物を預けることができます。
4−3 追加料金
「シンプルバニラ」と「わくわくバニラ」は受託手荷物が運賃に含まれていないので、必要な場合は予約の際に追加料金を払う必要があります。20キロまでの料金は路線により2000円から6000円と異なります。以下を参照してください。なお、予約後に受託手荷物が必要なくなった場合、払い戻しはありません。受託手荷物が必要かまだ分からないという方は予約後にウェブサイトから追加できるので、搭乗日までに考えましょう。国内線は搭乗90分前まで、国際線は搭乗120分前までウェブサイトで追加が可能です。コールセンターや空港カウンターは割高になるので気を付けましょう。
エリア(路線) | コミコミバニラ | シンプルバニラ・わくわくバニラ |
エリア1(東京/成田=札幌、奄美大島、沖縄、函館、大阪/関西、大阪/関西=函館、奄美大島) | 無料 | 2000円/1個 |
エリア2(東京/成田=台北/桃園、高雄、セブ、大阪/関西=台北/桃園、台北/桃園=ホーチミン) | 無料 | 3000円/1個 |
エリア3(東京/成田=香港) | 無料 | 4000円/1個 |
エリア4(沖縄=台北/桃園) | 無料 | 2000円/1個 |
また21キロ以上の手荷物には運賃タイプに関係なく、路線ごとに1000円から2000円の追加料金が5キロごとにかかります。以下を参照してください。
エリア1(東京/成田=札幌、奄美大島、沖縄、函館、大阪/関西、大阪/関西=函館、奄美大島) | 1000円/5kg |
エリア2(東京/成田=台北/桃園、高雄、セブ、大阪/関西=台北/桃園、台北/桃園=ホーチミン) | 1000円/5kg |
エリア3(東京/成田=香港) | 1000円/5kg |
エリア4(沖縄=台北/桃園) | 1000円/5kg |
エリア5(東京/成田=ホーチミン) ※台北/桃園経由 | 2000円/5kg |
つまり運賃タイプ「シンプルバニラ」で東京/成田〜大阪/関空の便に搭乗する際、受託手荷物が22キロであるとすると受託手荷物だけで3000円(20キロまでの料金2000円+重量による追加料金1000円)かかってしまいます。往復だと倍の6000円かかるので荷物の多い方は注意が必要です。
当日空港で受託手荷物を新たに預けると、さらに手数料2000円を取られてしまいますので気をつけましょう。もし予約後に受託手荷物が必要になった場合はウェブサイトから追加できます。コールセンターは手数料1000円が加算されるので注意が必要です。
5 最もお得な予約方法は?
最もお得な予約方法はズバリ「わくわくバニラ」でオプション無しの予約です。もちろんですよね。ということでここでは受託手荷物がある場合の最もお得な予約方法を検証します。バニラエアはジェットスターのオプションパックのようなものはないので個別にオプションを追加していく必要があります。受託手荷物がいるかわからないという方はとりあえず最安運賃を予約しましょう。後から追加できます。
5−1 3つの運賃タイプがあるセール中の場合
3つの運賃タイプがあるセール中の場合、最も安いのは「わくわくバニラ」+「受託手荷物追加オプション」になります。もちろん予約の変更が不可能など制約が大きいですが、確定しているのであればベストチョイスでしょう。ただ「コミコミバニラ」は座席指定も無料で可能なので、国際線などの中距離便で座席が広い方が良いと言った希望があり、かつ運賃差が大きくなければ、オプションの受託手荷物追加が1路線(片道分)2000円であることを念頭に置き、自分の希望に合わせて2つを比べるのがベストだと思います。また、複数人での利用の場合は1つのキャリーケースに全員分の荷物をまとめると安く済みます。
5−2 2つの運賃タイプしかない場合
セール期間外や売り切れなどにより、「コミコミバニラ」と「シンプルバニラ」の2種類しか設定がない場合があります。この場合は慎重に選ぶ必要があります。なぜなら販売価格によってその差が2000円しかない場合もあるからです。
例を挙げるとこちらのバニラエア便が該当します。
2018年1月9日東京/成田→大阪/関西のバニラエア便は3680円の「シンプルバニラ」に+2000円すると5680円の「コミコミバニラ」を購入できます。この場合、オプションで受託手荷物の追加をする場合も+2000円なので「シンプルバニラ」+「受託手荷物の追加オプション」は勿体無い選択になってしまいます。座席指定ができたり、変更手数料の少なかったりするコミコミバニラの方がサービスの質を考えると安く済むこともあります。しかも場合によっては価格差が2000円未満の日もあります。受託手荷物がある場合はまずここでもオプション料金2000円を念頭に入れておきましょう。
一方価格差が3000円など2000円を超える場合もあります。この際に最安なのは「シンプルバニラ」+「受託手荷物の追加オプション」になります。受託手荷物追加分を引いた差額の1000円を出し「コミコミバニラ」にするかはそれぞれの用途や旅の楽しみ方に合わせて選ぶと良いでしょう。この場合も複数人での利用の場合は1つのキャリーケースに全員分の荷物をまとめると安く済みます。
6 セール時は特に注意
バニラエアは頻繁に激安セールを開催します。セール開始直後は最安運賃「わくわくバニラ」の争奪戦となるので、予約は一刻を争います。このとき、バニラエアではオプション追加を後回しにして、とりあえず航空券だけを確保できるというメリットがあります。必要であれば予約後にウェブサイトから予約すると良いでしょう。ただし、コールセンターや空港での追加は割高になります。追加後のキャンセルもできないので気をつけて下さい。
15kgから受託手荷物を預けられるジェットスターに比べ、バニラエアは若干割高感があります。一方、予約後にインターネットでオプション追加をできるため、とりあえず予約をという方には非常に便利です。旅のスタイルに合わせて選択しましょう。
7 最後に
バニラエアの手荷物料金について大事なことを改めてまとめると、
- 機内持ち込み手荷物
- 無料
- 重量、サイズはどの運賃タイプでも同じ
- 当日オーバーすると追加料金
- 受託手荷物
- コミコミバニラ以外は追加購入が必要
- 追加購入は「ウェブサイトから予約」が最もお得(国内線90分前、国際線120分前まで可能)
- コールセンター、空港での追加は割高
となります。バニラエアの手荷物に関しては運賃タイプによる重量やサイズの差が「コミコミバニラ」の20キロまでの受託手荷物が無料な点以外にほぼないので、シンプルで分かりやすいです。そのため身軽に少ない荷物で旅行する際はかなり格安で利用出来ると思います。逆に大きな荷物がある場合、3つの運賃と追加料金との比較が重要になるので少し利用しにくいかもしれません。とにかく安くという方は、バニラエアが空席連動性の運賃であることを加味し、とりあえず最安運賃で予約をしておくのがベストでしょう。
機内持ち込み荷物のタグを必須にし、厳しいことで有名なバニラエアの手荷物チェックを突破して、安く賢く旅をできるようになりたいですね。TRAICYではバニラエアに関する最新情報からコラムや過去のセール情報まで網羅しているので、ご旅行の際には参考にしてみてください。